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Dec 21, 2022 |
近年話題の東京ゼロエミ住宅とは?助成金の内容や受給条件などを一挙公開!
近年話題の東京ゼロエミ住宅とは?助成金の内容や受給条件などを一挙公開!
地球温暖化などの環境の悪化などに配慮して、東京都が推進している住宅様式が「東京ゼロエミ住宅」です。
東京ゼロエミ住宅は他の一般的な住宅とは異なり、条件次第で東京都からの手厚い補助を受給できるのがメリットといえます。
そこで本記事では、環境に優しいうえにエコな側面を持つ東京ゼロエミ住宅について解説を行い、建造時の補助などについても詳しく解説をしましょう。
東京ゼロエミ住宅とは?
悪化する地球環境に配慮して、高い省エネ性能を持つ照明やエアコンなどを導入し、断熱性能の高い窓や断熱材を使用している東京独自の様式の住宅が東京ゼロエミ住宅です。
東京ゼロエミ住宅内では、高い断熱性能によって快適な室温が保持され、部屋間の温度差が少ないのがメリットといえます。
そしてこの住宅様式を活用することで、東京都から補助を貰うことができるのも嬉しいポイントです。
令和4年度の助成金額
東京都在住の方で新築住宅建築時に、東京ゼロエミ住宅に関する特定の基準をクリアーすれば東京都からの助成金額を受給できます。
では、令和4年度の東京ゼロエミ住宅の助成金額について解説をしていきましょう。
住宅水準に関する助成金額
戸建てと集合住宅によって、東京都が補助する金額が異なっていくのも東京ゼロエミ住宅の特徴の1つです。ここからは補助金が異なる3つの水準について詳しく解説をしていきます。
水準1について(戸建て住宅・集合住宅)
水準1は木造住宅に限定して補助金を支給しています。
この水準を基本にして建てられた注文住宅に関しては、前年度に全国で300件未満の注文住宅を建造した事業者が供給する住宅のみに限定して支給されます。下記に水準1での戸建て住宅と集合住宅の場合に支給される補助金を表記しておきますので、参考にして下さい。
水準1の住宅で支給される補助金の金額
・戸建住宅:30万円/戸
・集合住宅:20万円/戸
水準2について(戸建て住宅・集合住宅)
水準2では、国が定めている基準よりも35%以上削減可能な省エネ基準を満たしている場合や、ZEH相当の断熱性能を保有している物件に対して支給されます。
下記に水準2での戸建て住宅と集合住宅の場合に支給される補助金を表記しておきますので、参考にして下さい。
水準2の住宅で支給される金額
・戸建住宅:50万円/戸
・集合住宅:40万円/戸
水準3について(戸建て住宅・集合住宅)
水準3では、国が定めている基準よりも40%以上削減可能な省エネ基準を満たしている場合や、北海道相当の断熱性能を保有している物件に対して支給されます。
住宅に太陽光発電や蓄電池などを設置すれば、支給対象として追加されることも可能です。下記に水準3での戸建て住宅と集合住宅の場合に支給される補助金を表記しておきますので、参考にして下さい。
水準3の住宅で支給される補助金の金額
・戸建住宅:210万円/戸
・集合住宅:170万円/戸
太陽光発電による助成金額
住宅に太陽光発電設備を設置し、活用することで東京ゼロエミ住宅の補助金支給対象として認可され、補助金を受給することができます。
太陽光発電設備に関する補助金は、発電出力に応じて補助金額が異なるので事前の確認が重要です。
下記に発電出力に対する補助金額の例を表記しておきます。
太陽光発電による助成金額
・発電出力3.6KWまで=補助金額:12万円/KW(上限36万円)
・発電出力3.6KW超50KW未満=補助金額:10万円/KW
蓄電池による助成金額
住宅への設備機器費用の1/2の金額が補助対象として認可されているのが、住宅への蓄電池の設置です。下記に住宅に蓄電池を設置する場合の補助金の例を表記しておきますので、参考にして下さい。
蓄電池による助成金額について
・単独で蓄電池を設置する場合
10万円/kwh、80万円/戸
・4KW未満の太陽光発電設備と併設する場合
10万円/kwh、80万円/戸
・4KW超の太陽光発電設備と併設する場合
10万円/kwh、設置する太陽光発電の発電出力×20万円/戸
不動産取得税の減免措置
環境に配慮した東京ゼロエミ住宅を積極的に推進していくために、東京都は一定の基準をクリアーした東京ゼロエミ住宅に対して、不動産取得税の減免措置を実施しています。
ここからは東京ゼロエミ住宅を建造して、不動産取得税の減免措置を受けられる条件や受給割合などを紹介していきましょう。
対象住宅の条件
令和4年4月1日から令和7年3月31日までの期間に、「東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱」に基づいた設計確認申請が実施されれば、不動産取得税の減免措置を受けることができます。
また、住宅に太陽光発電システムや、前述に紹介した水準2や水準3の基準を満たすことも条件の1つです。
減免割合
不動産取得税の減免措置の減免割合に関して、前述の2つの条件両方を満たしている場合には、住宅にかかる不動産取得税の10割が支給されます。
また、どちらか一方のみを満たしている場合には、住宅にかかる不動産取得税の5割が支給されるので、事前に確認して申請を行いましょう。
仕様規定基準の概要
ここからは東京ゼロエミ住宅の仕様規定基準の概要について詳しく解説をしていきます。各部門別の詳細について細かく表記していきますので参考にして下さい。
断熱性能仕様
断熱性能仕様に関して、住宅の各部位ごとの使用を表記していきます。
・窓の開口部部分の仕様
省エネ建材等級(窓ラベル)4★
(例:アルミ樹脂複合サッシ+Low-e複層ガラス)
・玄関ドアの開口部部分の仕様
JISグレードH-3等級又はK3仕様以上
(熱貫流値(U値)3.49W/㎡・以下の性能)
・壁の外皮部分の仕様
断熱材の熱抵抗値(R値)2.3㎡・K/W以上
・屋根の外皮部分の仕様
断熱材の熱抵抗値(R値)4.6㎡・K/W以上
・天井の外皮部分の仕様
断熱材の熱抵抗値(R値)4.0㎡・K/W以上
・床の外気に接する部分の仕様
断熱材の熱抵抗値(R値)3.3㎡・K/W以上
・床のその他の部分の仕様
断熱材の熱抵抗値(R値)2.2㎡・K/W以上
・土間床の外周部の外気に接する部分
断熱材の熱抵抗値(R値)1.7㎡・K/W以上
・土間床のその他の部分
断熱材の熱抵抗値(R値)0.5㎡・K/W以上
設備仕様
東京ゼロエミ住宅の対象として認定されるための、住宅設備の各機器に関する仕様を表記しておきますので参考にして下さい。
・照明機器に関する仕様
全室LEDを設置(玄関、トイレ、洗面、脱衣所、廊下、階段のうち1箇所は人感センサー付)
・空調機に関する仕様
高効率エアコン設置(省エネラベル4★または5★)
(リビングなど住宅で一番使用する部屋に必ず設置)
・換気設備に関する仕様
使用は定めていない(2種換気または3種換気(熱交換器なし)の場合、比消費電力0.1KW/(㎥/h)以下)
・給湯機に関する仕様
高効率給湯器
(潜熱回収型ガス給湯器、電気ヒートポンプ給湯器など)
(潜熱回収型はエネルギー消費効率93%以上、電気ヒートポンプはJIS効率3.3以上)
・水栓に関する仕様
湯水混合水栓は節湯型水栓
(浴室シャワーは手元止水機構付き、浴室以外はシングルレバー水優先吐水機構付き)
・浴槽に関する仕様
高断熱浴槽
(追い炊き機能付きの場合のみ)
・配管方式に関する仕様
ヘッダー方式を採用していること
再生エネルギー仕様
再生エネルギーの使用に関しては、容量などは一切関係なく可能であれば設置していくことで東京ゼロエミ住宅の対象として認可されます。
対象となる住宅の条件
断熱に関する仕様や、設備機器面の仕様が東京ゼロエミ住宅の基準を超えていても、書面上の条件もクリアーしていなければ対象として認可されません。
そこでここからは、東京ゼロエミ住宅の対象として認可されるために必要な、書面的な条件について解説をしていきます。
設計確認書の発行を受けている
東京ゼロエミ住宅の対象として認定されるためには、日本建築検査協会が発行する設計確認書の発行を受けなければいけません。
確認書には、申請の種類、申請の予定、引受住宅の概要、適用基準の種別などさまざまな記入欄があります。記入事項をしっかりと把握して、漏れの内容に記入・提出をしましょう。
書類・建設地の写真を提出している
住宅建造に関する各種書類や、本人確認証などの書類の提出も東京ゼロエミ住宅の対象として認定されるために必要です。
身分証明のために必要な運転免許証・健康保険証などで裏面に住所の記載がある場合には裏面のコピーも提出してください。
年金手帳やパスポートなどで氏名と生年月日が別ページに記入されている場合には、該当ページも必ずコピーしての提出が必要です。
また、東京ゼロエミ住宅対象として申請する際には、住宅建造前・着工後などの建設地が特定できる写真の提出も必要書類として挙げられています。
まとめ
現在は地球温暖化を抑制するために、国を挙げて環境保全に関するさまざまな取り組みを実施しています。東京ゼロエミ住宅もその中の1つで、対象として認定されれば東京都からの手厚い補助を受けることが可能です。今後東京都で新築住宅の購入検討中の方は、本記事を参考にして環境に配慮した住宅を建てて東京ゼロエミ住宅の申請をしてみてはいかがでしょうか。