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May 30, 2023 | 住まいの知識
光熱費の削減に効果的!高気密高断熱住宅の秘密とは?Ua値を徹底解説
光熱費の削減に効果的!高気密高断熱住宅の秘密とは?Ua値を徹底解説
高気密高断熱の住宅を建てる際に注目されるのが「UA値」です。
UA値は建物の断熱性能を示す指標であり、エネルギー効率の向上や快適な室内環境の確保に寄与します。
本記事では、UA値の意味や計算方法、低いUA値の住宅のメリット、適切なUA値の目安、そしてUA値を低くする方法について詳しく解説します。高い断熱性能を持つ住宅を建てる際の参考にしてください。
Ua値とは
UA値とは、建物の外皮(外壁、屋根、床など)の熱損失を表す指標です。UA値が小さいほど断熱性能が高くなります。UA値は「熱貫流率」と「外皮の面積」の積で計算され、単位は「W/m²K(ワット毎平方メートル・ケルビン)」です。
Ua値の単位とは?
UA値の単位である「W/m²K」は、外皮の面積1平方メートルあたりにおける1℃の温度差による熱損失量を示しています。UA値は外皮の面積を熱貫流率で除した値として計算されます。熱貫流率は材料の熱伝導率や厚さ、構造によって異なります。
熱貫流率は熱の伝わりやすさを表す指標であり、断熱材の性能に影響を受けます。一般的に、熱貫流率が低いほど断熱性能が高くなります。
Q値とUa値の違い
Q値も断熱性能を示す指標ですが、現在はUA値が一般的に使用されています。Q値は熱貫流率の逆数であり、大きいほど断熱性能が高いことを示します。しかし、Q値の単位は「W/K(ワット毎ケルビン)」であり、UA値の単位とは異なります。
Q値は日本固有の断熱性能の指標であり、国際的な基準には適合していません。そのため、現在はUA値が一般的に使用されています。
Ua値が低い住宅を建てるメリット
光熱費の削減が可能
UA値が低い住宅は、断熱性能が高いため光熱費を削減できます。高い断熱性能により、外部からの熱の侵入や室内からの熱の漏れが抑えられ、冷暖房のエネルギー消費量が減少します。
同じ室温に設定していても夏は涼しく、冬は暖かい
UA値が低い住宅は、外部からの熱の侵入を防ぐため、夏場でも涼しく、冬場でも暖かい環境を実現できます。
しかし、UA値が低いだけでは十分ではありません。パッシブデザインの要素(日射利用や自然換気など)と組み合わせることで、さらに快適な環境を実現できます。
なお、パッシブデザインを採用しない場合、夏は熱がこもってしまい、快適性が損なわれる可能性があります。
結露防止になる
UA値が低い住宅は、外部からの冷気の侵入を抑え、室内の温度差による結露を防止できます。結露が発生しないため、カビやダニの発生リスクを低減し、健康的な住環境を維持することができます。
シックハウス症候群とは、建物内部において化学物質や微生物などの有害物質が蓄積し、健康被害を引き起こす症状のことを指します。結露による湿気やカビの発生が原因となることもあります。
Ua値はどの程度の値が良いのか?
地域によって適切な断熱性能は異なる
地域の気候条件によって、適切なUA値は異なります。
寒冷地ではUA値を低くすることで保温性を高める必要がありますが、温暖な地域ではUA値を適度に設定することで、冷房時の室内の適切な温度を保つことが重要です。
東京の適切なUA値はどの程度か
東京では、省エネ基準に基づき適切なUA値が定められています。
具体的な値は基準の改定によって変動するため、最新の基準を確認する必要があります。一般的にはUA値が0.46W/m²K以下を目指すことが望ましいとされています。
Ua値のグレードはどの程度か?
UA値のグレードは、建物の断熱性能を評価する指標です。具体的なグレードは基準や評価方法によって異なりますが、一般的にはUA値が0.5W/m²K以下であれば優れた断熱性能を持つとされます。
Ua値を低くする方法
内壁の断熱性能よりも外壁の断熱性能を重要視する
UA値を低くするためには、外壁の断熱性能を重要視する必要があります。適切な断熱材を外壁に施し、断熱効果を高めることで熱損失を抑えることができます。
床下の断熱を『基礎断熱』にする
床下の断熱もUA値を低くするために重要です。基礎部分に断熱材を施すことで、地中からの熱の侵入や床下の冷気の流入を防ぎます。
これにより、室内の断熱性能を向上させることができます。
玄関ドア、窓のグレードを上げる
UA値を低くするためには、玄関ドアや窓の断熱性能を向上させることも重要です。二重窓やLow-Eガラスなどの高性能な建材を使用することで、熱の逃げを抑え、断熱性能を向上させることができます。
玄関ドアや窓の断熱性能は6つあります。
これは「K2・K3・K4」、「D2・D3・D4」があり、数字が小さくなるほど性能が上がります。
断熱性能におけるKとDの違いについて
K・・・YKK AP株式会社が製造している玄関ドア
D・・・株式会社LIXILで製造している玄関ドア
熱の放出が最も起こる場所は「玄関」と「窓」です。
断熱性能を上げるためにも、玄関ドアと窓のグレードを上げることが必要になるでしょう。
まとめ
高気密高断熱の住宅を建てる際には、UA値の低さが重要です。UA値が低い住宅は光熱費の削減、快適な室内
環境の実現、結露の防止などのメリットがあります。地域によって適切な断熱性能は異なるため、東京を例に適切なUA値の目安を示しました。また、外壁の断熱性能や基礎断熱、玄関ドアや窓のグレードの向上など、UA値を低くするための方法も紹介しました。高気密高断熱の住宅を建てることで、快適で省エネな暮らしを実現しましょう。