高気密高断熱住宅は乾燥しやすい? 快適な住環境を実現するための対策方法

高気密高断熱住宅は乾燥しやすい? 快適な住環境を実現するための対策方法

近年、省エネや快適性向上のため、高気密高断熱住宅が注目されています。しかし、高気密高断熱住宅は快適な一方で「乾燥しやすい」という声を時々耳にすることがあります。

そこで今回は、高気密高断熱住宅と乾燥の関係について詳しく解説。快適な住環境を実現するための対策方法もご提案します。

高気密高断熱住宅とは?

高気密高断熱住宅とは、外壁や屋根、床などに断熱材を厚く施工し、隙間を徹底的にふさぐことで、室内の熱損失を抑えた住宅のこと。

冬は暖房の熱が逃げにくく、夏は冷房の効きが良いため、一年を通して快適な室温を保つことができる、ということが大きな特長です。

高気密高断熱住宅が乾燥しやすい理由3つ

高気密高断熱住宅は乾燥しやすい、と感じられるのは「室温を保つ」「外気の出入りが少ない」という住宅の特徴が影響しているから。

乾燥しやすいとされる理由には、主に以下の3つが挙げられます。

暖房による乾燥

冬場、暖房器具を使用すると、室内の空気が乾燥します。

高気密高断熱住宅は熱損失が少ないため、暖房器具の熱が逃げにくく、室温を一定に保ちやすいというメリットがあります。

しかし、空気が暖められると同時に乾燥しやすく、湿度が低下してしまうというデメリットもあります。

つまり、室温が上がると同時に相対湿度が下がり、乾燥を感じやすくなるのです

換気の不足

高気密高断熱住宅は隙間が少ないため、外からの湿気が入り込まず室内の温度や湿度が一定に保たれるという特徴があります。

このように高気密高断熱住宅は自然換気がしにくいため、24時間換気システムの導入が重要です。

しかし、換気システムが十分に機能していない場合、室内の湿気が滞留し、乾燥の原因となります。

加湿量の不足

高気密高断熱住宅は、高い気密性によって外からの湿気の侵入も少ないため、加湿量不足になりやすいという問題もあります。

たとえば夏でもエアコンの使用で空気が乾燥すると、その状態が維持されるという仕組みです。

乾燥による影響

乾燥を放っておくと、人や住まいに悪い影響がもたらされることがあります。

健康への影響

乾燥は、肌荒れや喉の痛み、風邪などの原因となるだけでなく、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー症状を悪化させる可能性もあります。

住宅への影響

乾燥は、木造住宅の場合、木材の乾燥収縮による床鳴りや壁の亀裂などの原因となることがあります。

高気密高断熱住宅での乾燥対策6つ

高気密高断熱住宅で乾燥を防ぐためには、以下の対策が有効です。

加湿器の利用

加湿器を使って、室内の湿度を適切なレベルに保ちましょう。

超音波式、スチーム式、気化式など、さまざまな種類の加湿器がありますので、ご自身のライフスタイルに合ったものを選びましょう。

洗濯物の室内干し

洗濯物を室内に干すことで、洗濯物が乾く際に発生する水蒸気が室内の湿度を自然に上げることができます。

ただし、部屋干しをする際にはカビが生えないよう、換気をしっかりと行うことが重要です。

観葉植物や水槽の設置

観葉植物や水槽は、葉や水から水分が蒸発するので、湿度を上げる効果があります。

換気システムの適切な使用

高気密高断熱住宅に設置が義務化されている24時間換気システムを適切に使用しましょう。24時間換気システムは、室内の湿気を排出するだけでなく、新鮮な空気を取り入れるために重要な役割を果たします。

暖房の設定温度を控えめにする

暖房の設定温度を控えめにすることで、暖房による乾燥を抑えることができます。

ただし、室温が低くなり過ぎないように注意が必要です。

加湿機能付きエアコンの利用

加湿機能付きエアコンは、暖房を行いながら加湿もできるため、効率的に快適な室温と湿度を保つことができます。

まとめ

高気密高断熱住宅は、省エネや快適性向上に優れた住宅ですが、乾燥しやすいという課題もあります。

しかし、適切な対策を講じることで、乾燥を軽減し、快適な住環境を実現することができます。今回ご紹介した対策を参考に、ご自身の生活スタイルに合った方法で乾燥対策に取り組んでみてください。

高気密高断熱住宅の乾燥対策は、地域や季節によっても異なります。

ご自身の住環境に合わせて、適切な対策を検討しましょう。

高気密高断熱住宅の乾燥対策には、ほかにもさまざまな方法があります。くわしくは、施工業者などに相談することをおすすめします。

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