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Jan 28, 2023 | 補助金情報
東京でも安く家を建てられる!?「東京ゼロエミ住宅」の水準について徹底解説!
東京でも安く家を建てられる!?「東京ゼロエミ住宅」の水準について徹底解説!
「マイホームを建てたい」とは、誰でも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
しかし都心部などに住んでいる方は、土地の値段だけでも高額な費用がかかってしまうので、購入を諦めてしまう方も多いのが現状といえます。
そこでぜひとも利用して頂きたい住宅購入に関する国からの補助制度が「東京ゼロエミ住宅促進事業」です。
この制度を活用すれば、東京都内で住宅を建てる際に国から多額の補助金を受給できるうえに、不動産取得税なども免除される可能性が高くなります。本記事では東京ゼロエミ住宅について詳しく解説を行い、認定されるための水準についても詳しく解説をしていきましょう。
東京ゼロエミ住宅の水準とは?
令和元年より東京都は高い省エネ性能を有している東京ゼロエミ住宅を普及させるために、認定のための一定の水準を設定しました。
詳しい基準値は、窓においては外皮平均熱貫流率2.33W/㎡以下、ドアにおいては3.49W/㎡以下が必要になります。また設備に関して、住宅内の照明は全てLEDを使用して省エネ基準達成率114%以上のルームエアコンを1台以上設置しなければいけません。
東京ゼロエミ住宅に必要な基準値
・窓の外皮平均熱貫流率が2.33W/㎡以下
・ドアの外皮平均熱貫流率が3.49W/㎡以下
・住宅内の照明は全てLEDを使用
・省エネ基準達成率114%以下のルームエアコンを1台以上使用
ここでの熱貫流率がどんな数値なのかについては次の章で解説をさせて頂きます。
これらの条件を満たして住宅を建築すれば、東京都から住宅建設費の一部が補助されます。
東京ゼロエミ住宅の水準はどんな数値によって決められているのか?
住宅建築時に一定の水準を満たせば、東京ゼロエミ住宅として認定されて東京都からの手厚い補助を受給できます。しかし、実際にどのような数値が水準として定められているのでしょうか?
外皮平均熱貫流率とは
住宅内部の熱が、床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へと放出される熱量を外皮全体で平均した値が「外皮平均熱貫流率」です。
外皮平均熱貫流率は住宅の外皮全面に対しての熱損失を表した数値です。外皮平均熱貫流率が小さいほど省エネ効果が高く、東京ゼロエミ住宅の対象として認定されやすくなります。
外皮平均熱貫流率とはどんな数値?
・この数値が低ければ低いほど省エネ効果は高くなる
・東京ゼロエミ住宅に認定されやすい
BEIとは
住宅・建築物の一次エネルギー消費量の基準の水準として、建築物省エネ法で用いられている指標が「BEI」です。「BEI」は下記の式で表されます。
BEI = 設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー
設計一次エネルギー消費量:換気設備、給湯設備、照明器具などのエネルギー消費量
基準一次エネルギー:地域や建物用途、住宅の使用条件によって定められている基準のエネルギー消費量
「BEI」が1.0以下であれば一般消費基準の水準を満たした住宅と認定されるのです。
したがって、新築の建築物においては設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量以下であれば省エネ基準に適合して、東京ゼロエミ住宅の対象としても認可されます。
2022年までの東京ゼロエミ住宅の水準について
2022年までは東京ゼロエミ住宅の認定基準を「水準1」として設定し、この基準を満たしている住宅に対して助成金などの補助を付与してきました。下記に水準1における外皮平均熱貫流率や、BEIの水準を表記しておきます。
東京ゼロエミ住宅の水準1における数値
・外皮平均熱貫流率(単位 W/㎡K):0.70以下
・設備機器に関する省エネルギー性能(BEI):0.7以下
現在の東京ゼロエミ住宅の水準について
前述では2022年までの東京ゼロエミ住宅の認定基準である、「水準1」について詳しく解説をしてきましたが、現在の東京ゼロエミ住宅の水準はどのように制定されているのでしょうか。
水準2の仕様
東京都は2022年以降の東京ゼロエミ住宅の認定基準を「水準2」として設定し、以前よりも高い水準を設定して省エネへの取り組みをさらに高めています。では下記に水準2における外皮平均熱貫流率や、BEIの水準を表記しておきますので参考にして下さい。
東京ゼロエミ住宅の水準2における数値
・外皮平均熱貫流率(単位 W/㎡K):0.60以下
・設備機器に関する省エネルギー性能(BEI):0.65以下
水準3の仕様
従来までの水準の中で、最も高い数値を設定しているのが「水準3」で、カーボンハーフを見据えた新築住宅に対する設定値といえます。
では下記に水準3における外皮平均熱貫流率や、BEIの水準を表記しておきますので参考にして下さい。
東京ゼロエミ住宅の水準3における数値
・外皮平均熱貫流率(単位 W/㎡K):0.46以下
・設備機器に関する省エネルギー性能(BEI):0.6以下
「東京ゼロエミ住宅」では必ず適合させる基準がある
東京ゼロエミ住宅として認定されるために重要になるのが、住宅の「外皮平均熱貫流率」と「熱貫流率」です。
外皮平均熱貫流率と熱貫流率の違い
・外皮平均熱貫流率:住宅の断熱性能を表す数値
・熱貫流率:住宅建材の断熱性能を表す数値
どちらの数値も小さければ小さいほど断熱性能は高くなる
東京ゼロエミ住宅として認定されるには、上記の2つの数値以外にも一定の基準を満たした省エネラベルのエアコンや、高効率エアコンの設置が義務付けられています。
また高効率給湯機の設置なども義務付けられており、全ての基準を満たさなければ東京ゼロエミ住宅として認定されません。下記に住宅建築において必ず適合すべき仕様を簡単に表記しておきます。
「開口部の断熱性能」
・窓:熱貫流率 2.33W/㎡・K以下
(例:アルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラス)
・ドア:熱貫流率 3.49W/㎡・K以下
(例:金属製熱断熱構造の枠+金属性フラッシュ構造の戸)
「住宅の性能値」
・水準1の場合:外皮平均熱貫流率0.70以下
・水準2の場合:外皮平均熱貫流率0.60以下
・水準3の場合:外皮平均熱貫流率0.46以下
「冷暖房設備」
・高効率エアコン設置(省エネラベル4★または5★)
(注:リビングなどのメインの居室に設置必須)
「給湯設備」
・高効率給湯器(電気ヒートポンプ給湯器・潜熱回収型ガス給湯)
まとめ
理想的なマイホームを建てて快適な暮らしをしたいとは誰でも思いますが、実際に新築住宅を建てる際には多額の費用がかかってしまいます。特に都心部などは土地の価格が高く、土地代だけで多額な費用がかかってしまうのが現状です。しかし、東京ゼロエミ住宅促進事業に適した住宅を建てれば、手厚い補助金が支給される以外にも免税の対象にもなります。
今後東京都で新築住宅の購入を検討している方などは本記事を参考にして頂き、東京ゼロエミ住宅の水準に適した住宅を建ててみてはいかがでしょうか。