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Jan 29, 2024 | 住まいの知識
高性能な住まいを実現するSW工法のメリット・デメリットとは?
近年、高性能住宅への関心が高まる中、SW(スーパーウォール)工法は注目を集める存在です。
耐震性・断熱性・気密性に優れた工法として知られていますが、実際にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
今回は、SW工法のメリットとデメリットを徹底解説します。SW工法で家を建てることを検討している方、高性能住宅に興味がある方は必見です!
SW工法とは?
SW工法は、従来の木造軸組工法に構造用合板と断熱材を一体化した高性能パネル「スーパーウォール」を組み合わせることで、断熱性、耐震性、気密性を飛躍的に高め、快適で安心な住まいを実現する工法です。
建物を「面」で支えるため、高い耐震性能を発揮します。
近年、高性能住宅へのニーズが高まる中、注目を集めています。
SW工法のメリット
SW工法は、住宅にさまざまな機能や快適さをもたらします。
高い耐震性
木造軸組をベースに、壁、床、天井に強度の高いパネル「スーパーウォール」を貼り付けて「面」で建物を支えるため、従来の木造軸組工法の住宅よりもはるかに高い耐震性を実現しています。
地震大国である日本において、安心して暮らせる住まいを建てることができます。
優れた断熱性
断熱材を壁全体に使用するため、家全体が断熱材に包まれ、外気温の影響を受けにくいまるで魔法瓶のような家に。
夏涼しく冬暖かい快適な室内環境を実現でき、
光熱費の節約にもつながるほか、家の中の温度差がなくなるのでヒートショックも防ぎます。
高い気密性
パネルとパネルの隙間を丁寧に処理することで、気密性を高めています。
気密性を示す数値にC値があります。数値が小さいほど隙間が少なく、気密性に優れていることを表します。一般住宅のC値は5.0のところ、SW工法の家はC値1.0を基準としています。
また、高い気密性を活かした計画換気システムで、カビやダニなどの発生を抑えることができます。
壁内結露の心配がほとんどない
SW工法の住まいは、建物構造の腐食や劣化の原因となる「壁内結露」の心配がほとんどありません。
高気密・高断熱住宅では、室内で発生した水蒸気を屋外に逃がすために、壁内の断熱材に透湿防水構造を作る必要があります。
SW工法では、外壁と断熱材の間に通気層を作り、耐湿性の高い硬質ウレタンフォームを採用し、壁内に結露が溜まるのを防いでいます。
遮音性が高く静かな住まい
家全体が断熱材に包まれた高断熱・高気密仕様により遮音性もアップし、静かな住まいを実現できます。
外部からの騒音や室内の音漏れが1/8程度に軽減される感覚が得られることが実証されています。
SW工法のデメリット
SW工法のパネルを張り付けていくという特徴が設計計画に影響することもあります。
建築コストが高い
高価な構造用合板と断熱材を使用しているため、建築コストが高くなります。一般的な木造軸組工法よりも20~30%ほど高くなると言われています。
間取りの自由度が低い
壁全体で建物を支えるというSW工法は、耐力壁を自由にカットしたり、穴をあけたりすることができません。
耐力壁を加工すると支える力に影響し、構造体の耐震性能を下げてしまうためです。
したがって、開放感のある間取りや複雑な間取りは難しい場合があります。
エアコンやコンセントなどの増設がしづらい
住み始めてからエアコンを追加したり、コンセントを増設したりすることは、SWパネルの特徴上、できない場合があります。
SWパネルの内部には断熱材が詰まっているため、そもそも穴をあけることが難しいのですが、何よりもパネルへの加工が断熱性や耐震性に影響するリスクがあるためおすすめできません。
あらかじめ、エアコンの設置場所やコンセントの数や位置など、将来を見越してプランニングすることが大切です。
このような方には、SW工法がおすすめです
住まいづくりを検討中の方で、特に以下に挙げた点に当てはまる方にはSW工法による住まいづくりを選択肢の一つとしておすすめしたいと思います。
・耐震性・断熱性・気密性に優れた家がほしい方
・光熱費を抑えたい方
・静かな住環境を求めている方
・デザイン性の高い家が欲しい方
SW工法で家を建てる際の注意点
SW工法は従来からある木造軸組とツーバイフォー住宅の建築メリットを併せ持つ住宅工法です。
SW工法による住宅は耐震性・断熱性・耐久性に優れていますが、それゆえに施工には高い技術力が必要です。
SW工法に精通した工務店を選ぶ
SW工法は、断熱性や気密性が高い家ならではの配慮が必要なため、高い施工技術が求められる工法です。
住宅性能をフルに発揮させるためには、SW工法に精通した工務店を選ぶことが重要です。
間取りやデザインを事前にしっかりと検討する
SW工法は、間取りの自由度が低くなります。間取りやデザインを事前にしっかりと検討しておくことが重要です。
まとめ
SW工法は、高い耐震性・断熱性・気密性を備えた高性能な住宅工法です。
しかし、建築コストが高い、間取りの自由度が低いなどのデメリットもあります。
SW工法で家を建てることを検討している方は、メリットとデメリットをよく理解した上で、自分に合った工法かどうかを判断することが大切です。