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Mar 29, 2023 |
SW(スーパーウォール)工法って何?SW工法で建てるときのメリットとデメリット
新築住宅を建てる際にはできるだけ頑丈で快適な住宅に住みたいですよね。
頑丈で快適な住宅を作るためには、工法が重要なポイントです。
そこで本記事では現在注目を集めている工法であるスーパーウォ―ル工法について詳しく解説していきます。
スーパーウォ―ルとは?
有名な建材メーカーである”リクシル”が開発・設計した住宅工法がスーパーウォ―ルです。スーパーウォ―ルは耐震性能や断熱性能に特化した工法であり、昔から日本で活用されてきた”木造軸組立法”に耐震性能や断熱性能を加えた優れた工法です。
スーパーウォールで建てられた住宅はスーパーウォール工法(SW工法)と呼ばれています。
耐震性に関してはスーパーウォ―ル工法では耐震性に優れたパネルを全面に貼り付け、壁全体で住宅を支えるモノコック構造が特徴的です。
既存の住宅工法を模範にした新しい工法で、耐久性や耐震性に優れた効果を発揮します。
スーパーウォ―ルのメリット
スーパーウォ―ルは今まで活用されてきた工法と新しい工法が組み合わされた優れた工法です。SW工法を活用するメリットは5つあります。
SW工法を活用するメリット
・暑さと寒さに強い
・部屋間での温度差が少ない
・地震や台風に強い
・品質のばらつきが少ない
・音漏れしにくい
暑さと寒さに強い
スーパーウォ―ル工法は断熱性に特化した素材であり、夏の暑さや、冬の寒さにも強い点がメリットです。
単純に断熱性能が高いだけでなく高い気密性も持っていますので、住宅の隙間からの外気や冷気の侵入を防止できます。上記の高い気密性に断熱性能が加わって”夏は涼しく、冬は暖かい環境”を実現できます。
結果としてスーパーウォ―ル工法を活用すれば、1年中快適な環境で生活できることが約束されます。
温度差が小さい
スーパーウォ―ル工法は断熱性能や気密性に優れた工法のため、部屋ごとの温度差も小さくなります。
例えば、夏の暑い時期にエアコンの効いた部屋と効いていない部屋では温度差が生じてしまいます。このような温度差が小さくなる特徴があるのがSW工法で建てられた住宅の特徴です。
地震や台風に強い
従来の住宅建築工法は柱の間に補強用の梁などを入れることで耐震性を強化していました。
一方で、スーパーウォ―ル工法は柱に壁を固定して住宅全体を支えているので、地震や台風に強くなります。
品質のばらつきが少ない
一般的な住宅建築工法では最初に住宅の設計をおこない、その後に事前に生産されている材料を使用して建築をおこなっていきます。一方、スーパーウォ―ル工法は設計時に必要な材料を見積もった後に工場で材料を生産・加工して現場に配送していくのです。
スーパーウォ―ル工法では上記のような工程を徹底していますので品質のばらつきなども少なく、高い施工品質を維持できるのもメリットといえます。
スーパーウォ―ル工法を活用すれば材料の違いによる施工品質の違いがなく、現場職人の技術が優れていれば最高の住宅が建築されていくのです。
音漏れしにくい
スーパーウォ―ル工法は気密性に優れた工法で、気密性に優れているため音漏れもしにくくなります。
気密性が高い住宅では、住宅内の空気が外に漏れにくいという特徴があります。音は空気の振動により発生するため、必然的に音漏れしにくくなります。
またスーパーウォ―ル工法を使用すれば、外部への騒音を防止すると同時に外部からの騒音も遮断できて快適に過ごせます。このような観点からも”騒音”という点を簡単に解決できるのもスーパーウォ―ル工法の優れた点です。
スーパーウォ―ルのデメリット
従来の住宅建築工法と比較してもスーパーウォ―ル工法は優れた建築工法です。
住宅建造時に活用すれば多くのメリットを得ることができますが、デメリットもあります。
ここからはスーパーウォ―ル工法のデメリットについて詳しく解説をしていきましょう。
間取りの変更やデザインの制約がある
従来の建築工法では住宅を支える梁を中心的に設計しています。
梁以外の部分に臨機応変に窓などの設置もできました。
一方のスーパーウォ―ル工法は高い強度を持つ壁全体で住宅を支える構造のため、窓を設置するために穴をあけてしまうと全体の強度が低下してしまうのです。
このような観点からも従来の工法と比較して間取りの変更やデザインの制約があるのもスーパーウォ―ル工法のデメリットといえます。
エアコンやコンセントの増設がしにくい
スーパーウォ―ル工法は断熱性に優れ、前述でも解説したように住宅全体が強度の高い壁で作られています。したがってエアコンやコンセント増設時に壁に穴をあけにくく、作業に手間が掛かってしまいます。
従来の工法で作られた壁であれば、エアコンやコンセント増設のために壁に簡単に穴あけなどの加工もできました。一方のスーパーウォ―ル工法は気密性に優れ、高い強度を誇るだけに完成後の増設なども困難になるのです。
コストがかかる
スーパーウォ―ル工法は高気密・高断熱・高耐震構造を実現している優れた建築工法ですので、どうしても高いコストがかかってしまうのがデメリットです。
スーパーウォ―ル工法は一般的に坪単価600,000~700,000円程度が一般的な相場であり、従来の工法と比較してみると高めに金額設定されています。
一方の従来の一般的な工法ではメーカー次第で300,000円程度の場合もあり優れた機能性を持ってはいるのですが、スーパーウォ―ル工法に比べて低価格で施工できます。
まとめ
住宅を建てる際には建てる工法次第で価格や効果も大きく異なります。
自分の建てたい住宅のコンセプトに基づいて工法を選択するのが重要です。
新築住宅を建てる際に快適さを重視するのであれば優れた工法であるスーパーウォ―ル工法を活用するのも1つの有効な手段といえます。